マーシー(愛を込めて敬称は略させてください)と聞けば
思い浮かぶバンドは、ザ・クロマニヨンズ、ザ・ブルーハーツ、ザ・ハイロウズの方が多いと思います。(中には、ザ・ブレイカーズの方もいらっしゃるかな?)
マーシーはブルーハーツの時代にもソロ活動をしていて、ソロでもアルバムを4枚も出しています。またマッチこと近藤真彦さんの有名な曲である「アンダルシアに憧れて」は実はマーシーの曲で、ザ・ブレイカーズ時代から演奏されているものです。
今回は、そんなマーシーがロックに目覚めるきっかけとなったThe BeatlesのTwist and Shout(ツイスト・アンド・シャウト)について紹介したいと思います。
”Twist and Shout” ツイスト・アンド・シャウト
この曲は、実はオリジナルはThe Beatlsではなく、アメリカの作曲家であったPhil Medley(フィル・メドレー)とBert Russell(バート・ラッセル)によって書かれた楽曲です。1961年にアメリカのR&BグループであるThe Top Notes(トップノーツ)によってレコーディングされ、シングル盤として発売されましたが、チャートインすることはなかったようです。
その後、1962年にThe Isley Brothers(アイズレー・ブラザーズ)、1963年にThe Beatlsによってカバーされたことで、この曲は一躍有名になりました。(The Beatlesは、The Isley Brothersのカバーを元にカバーしたとのこと)
せっかくなので、両グループのTwist and Shoutを載せておきます。
まず、The Isley Brothersです。
次に、The Beatlesです。
どちらもかっこいいですね。ちなみに、Twist and Shoutをレコーディングした時のジョンレノンは風邪を引いていたため、あの強烈なシャウトのTwist and Shoutが出来上がったとのこと。上の映像はライブバージョンなので、興味のある方はCDバージョンのも聴いてみてください。
マーシーがThe Beatlesに出会った日
その時の様子がマーシーの自伝的ディスクガイドであるROCK&ROLL RECORDERに載っていたので、一部紹介したいと思います。
あれは小学6年生もそろそろ終わろうとする、2月の寒い日でした。友達のS君の部屋へ遊びに行ったときのことです。
「何してたの?」と訊ねる僕に、S君は「レコード聴いてたんだよ。ビートルズ、知ってる?カッコいいんだぜ」と答えました。
それまで僕は音楽を聴いて「カッコいい!」などと思った事がなかったので、意味がわかりません。「カッコいい!」というのは、ジャイアンツの長嶋選手や戦車、軍艦、あるいは『あしたのジョー』、『男一匹ガキ大将』のための言葉でした。そんな僕を尻目に、S君は今まで聴いていたレコードを引っくり返して「ちょっと聴いてみなよ」とレコードに針を落としました。そのときにスピーカーから飛び出してきたのは「ツイスト・アンド・シャウト」。
ビートルズ!!
ぶっ飛びました。「何だこりゃあ!!」・・・・・・言葉ではうまく表現できません。何もかもが引っくり返って、すべてが変わってしまいました。それは少し怖いくらいの衝撃でした。シビれたんです。
ビートルズはドカドカドカと僕の心の中に入り込んで、キーを回してエンジンをかけて、クラッチを踏んでギアを入れて、アクセルを「ボアーン!!」とひとふかししたんです。
僕はあまりの衝撃に圧倒されて、無言でした。すぐにひとりになりたくなって、早々に帰宅しました。S君は「あれ、もう帰るの?」みたいな感じだったと思います。
家に帰った僕は、興奮と熱狂の中で「あんなことがやりたい!」と強く思いました。そんな風に物事を強く思ったことは、それでまで一度もありませんでした。それは初めての感情で、それからはずっと夢見心地でした。
2022年発刊 ROCK&ROLL RECORDERより
The Beatlesに出会って、極度だった車酔いが治ったエピソードは有名ですが、出会った瞬間のエピソードがここまで詳しく語られているのは、初めてに近いのかなと思います。それにしても、文章だけでも、その衝撃が本当に伝わってくるし、小学6年生のこの瞬間から、マーシーはロックンロールのとりこであり続けているんだなぁと感じます。
ということで、今回はマーシーがロックンロールにThe Beatlsに出会った日のことや、その日に流れた曲であるTwist and Shoutについて紹介してみました。
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